素人でもプロに勝てる!
素人でもプロに勝てる!
プロ中のプロが、S&P500のインデックスファンドに完敗!
様々な分野において、
「一流のプロに素人が勝つ!」
なんてことは、基本的にあり得ないでしょう。
しかし、長期投資の分野においては、それは簡単かもしれません。
それを証明しているのが下記です。
2007年にウォーレン・バフェットさんが、
「投資家は毎年多額の費用を投資助言者に払っているが、投資家全体を見て、はたして料金に見合う対価を享受できているのか?
そんなことに大金をつぎ込むよりも、アメリカの代表的な株の平均値に低コストのインデックスファンドで投資した方が、効率の良い投資が出来るのではないか?」
みたいな理由で、投資助言業者とある賭けを提案しました。
それは、
「S&P500のインデックスファンドと10年間勝負して、投資助言業者が勝ったら100万米ドル支払います。
投資助言業者は5本のファンドをチョイスしてください。(5本のファンドそれぞれが世界中の様々なヘッジファンドに投資可能、また、10年間で状況を見ての入替も可能。)」
という内容です。
それに対して、ウォール街で活動しているプロテジェ・パートナーズが挑戦者として名乗りを上げ、2007年から10年間に渡る賭けがスタートしたそうです。
で、結果は?
(出典:2017年度バフェットからの手紙)
(参照:2017年度バフェットからの手紙)
なんと、ウォール街の著名投資助言専門業者(プロ中のプロ)が指定した5本のファンドの全てが、S&P500のインデックスファンド(何の工夫も無い、ただの平均指数のファンド)に劣るパフォーマンスでした。
「最小限の手数料でS&P500に投資しているだけで、プロ中のプロがよりBestだと思ってチョイスするヘッジファンドよりも効率が良い!」
という事が証明されたのかもしれません。
ヘッジファンドはピンキリ 平均したら大したことない!
ヘッジファンドって聞くと、なんか「かなりレベル高いんじゃないか?」なんて想像してしまいますけど、ヘッジファンドなどの取次業務を10年以上やっている私からしたら、「え、そんなに良いヘッジファンドがあるなら教えて!」って言いたくなるほど私からの信用度は低いです。
私が知らないだけで、素晴らしいヘッジファンドも沢山あるでしょうし、私が大尊敬するスタンレー・ドラッケンミラー(ヘッジファンドはとっくに引退しちゃいましたけど)のデュケーネ・キャピタル・マネジメントとか、有名どころでブリッジ・ウォーターとか素晴らしいファンドは沢山あります。
しかし、それとは反対に、物凄く成績の悪いヘッジファンドも多くあるのは事実でしょう。
では、全体としてみたヘッジファンドの成績はどんなものなのか?
ヘッジファンドの指数で最も有名なモノがHFRX指数(HFRX Global Hedge Fund Index)でしょう。
下記の表は、そのHFRX指数とS&P500を比較したチャートです。
(出典:FINANCIALTIMES 2019年8月9日データ)
緑色のチャートがHFRX指数で、薄いゴールドの色のチャートがS&P500です。
HFRX指数はS&P500と比べ、圧倒的に劣っている事が分かります。
ヘッジファンドって聞くと、『最小限のリスクで最大限のリターン』を物凄いテクニックを駆使して達成してるようなイメージを受けます。
しかし、上記の結果を見る限り、世界トップクラスの技術をもってしても、S&P500を上回る事は簡単ではないようです。
余分な知識は必要ない!
金融のプロとかで、「ボラティリティがどうの」「シャープレシオがどうの」とかこだわる人が居ますが、私の知っている限りの話で言えば、必要以上にボラティリティを意識しすぎて、そのせいで全然儲からなくなってしまっている人が多いように思えます。
私の経験上、そういった事にこだわっている人で、ただのS&P500のパフォーマンスに勝てている人は殆どいません。
誰しもが「損をしたくない!」モノです。
しかし、金融業者にとってはそこが最大の狙いどころなのかもしれません。
リスクヘッジを目的とした商品やサービスを提供することにより、その料金が彼らの利益になります。
もちろんリスクヘッジは考えるに越したことはありません。
金利などの状況に合わせて投資対象を変更する事で、投資効率をアップさせることも出来るでしょう。
しかし、そこを金融業者に頼ってしまったら、物凄く高いコストが付いて、トータルのリターンが著しく下がってしまう可能性も高いと思えます。
運用成績の低い人の多くは、「損せず儲ける。」とかに必要以上に固執して、結果、大きなリターンを逃しているように思えます。