良い話は川下には来ない!
良い話は川下には来ない!
『こちらにとって好条件』という事は『相手にとっては悪条件』
巷では今も昔も、
「高金利!」「高い利息を保証します!」
とか
「〇〇への投資で、元本を保証します!」
といった好条件をアピールする投資情報が出回っています。
でも資本主義はゼロサムゲームです。
『こちらにとって好条件』という事は『相手にとっては悪条件』という事を意味しますよね。
そんなのがわざわざ向こうからセールスに来ると思います?
もうちょっと具体的に考えてみると、『高い利息を保証します!』って金融商品をセールスされるとして、その商品を作っている側の人達は、なんであえて高い利息を支払わないといけないのか?
お金借りるにしても、誰だって利息は低い方が良い筈です。
にも拘らず「利息を高く設定しないとお金を借りれない」という事は、何かワケがあるのでしょう。
じゃあそのワケとは何か?
例えば、貸したお金が約束通りの期日と金額で返ってくる確率が低い相手だとか。
例えば、利息以上に予想されるインフレ率(通貨の毀損率)が高いとか。
年10%の利息が貰えても、為替で年10%マイナスになるのならトントンですし、それに手数料を上乗せされたらこっちはマイナスです。
まぁいろいろと可能性は考えられますよね。
ただ、資本主義はゼロサムゲームだという事を我々は忘れてはいけないと思えます。
誰かが得するのと同じ額だけ誰かが損しているのです。
『わざわざ向こうから来る。』という事は、
『向こうにメリットがある。 = 同じ額のデメリットがこちらにある。』
と考えるべきでしょう。
高金利債券ファンドの例
上記の具体例として新興国の高金利債券ファンドを一つご紹介しましょう。
新興国は基本的に物価が上昇しやすくインフレ率は常に高めです。
という事は、それ以上に利息が無いとなかなか預金してもらえない為、預金など様々な利息(金利)は高めです。
金利の少ない環境が当たり前になっている我々日本人からすると、そういった高金利に魅力を感じる人も居らっしゃるでしょう。
しかし、私の知る限り新興国の債券ファンドの類の投資パフォーマンスは全体的に良くないと思えます。
S&P500のような世界経済を牽引する企業の株のインデックスと比べたら、長期のパフォーマンスは圧倒的に低い数字になっているでしょう。
具体例を下記に貼り付けます。
金欠な投資先は要注意!
金融商品を作るのだって大変なんです。
そこまでして皆に投資してもらいたい程、お金が欲しいのでしょう。
要はお金が不十分(金欠)だからそうなってるワケです。
彼らは金融機関に致し方なく高いコストを支払っているのでしょう。
例えば、皆さんが資金調達したいときに、年5%とかの利息のとかでお金借りたり、債券発行したりします?
そう考えれば、年5%とかで利息払ってまで資金調達しなければならない相手は、凄くお金が不十分な状態なのかもしれませんよね。
本当に良い投資なら、川上の投資家達が直ぐに投資します。
金融機関だって、良い話はまず川上に持ってきます。
先に川下に持ってったら、川上の投資家に怒られちゃいますからね。
だから良い投資なら、川下に降りる前に枠は埋まります。
それが本当に良いモノなら、資金は十分だから、がんばって資金調達する必要なんて無いんです。
川下まで投資話が来るって事は、「そもそも良い投資ではない。」と私なら判断します。