株と金利
株と金利
金利が上がると、株のバリュエーションは下がる!
株価のバリュエーションを考える際に、金利と割引率が重要です。
金利は皆さん分ると思えます。
割引率とは、将来もらえる利益を「今ならいくらの価値か」に直すときに使う利率です。
少し難しく聞こえますが、考え方はシンプルです。
割引率とは、投資家がその株に求める利回り(金利も含む)のようなものです。
たとえば、毎年ずっと6円の利益を生む株があるとします。
この株に対して、投資家が「年6%くらいの利回りは欲しい」と考えるなら、投資家が払う値段は
6円 ÷ 0.06 = 100円
です。
100円で買って毎年6円もらえれば、利回りは6%になるからです。
逆に、「この株なら年10%くらいは欲しい」と考えるなら、
投資家が払う値段は
6円 ÷ 0.10 = 60円
です。
つまり、求める利回りが高くなるほど、株に払う値段は下がるのです。
この「株に求める金利を含んだ利回り」が、割引率のイメージです。
金利が上がると割引率も上がる
では、なぜ金利が上がると割引率も上がりやすいのでしょうか。
それは、安全資産の利回りが上がると、投資家は株のようなリスクのある資産に対しても、
「それなら、もっと高い利回りが欲しい」
と考えるようになるからです。
たとえば、預金や国債で安全に1%しか増えない世界なら、株で6%の利回りでも魅力を感じやすいかもしれません。
しかし、安全資産で5%増える世界なら、わざわざ株を買う以上、8%や10%くらいの利回りを求めたくなります。
このように、金利が上がると、
株に求める利回り=割引率も上がりやすくなります。
ここで、将来のお金の価値を考えると、さらに分かりやすくなります。
たとえば、10年後にもらえる100万円の今の価値は、割引率10%なら
100 ÷ 1.10^10 ≒ 38.5
となり、約38.5万円です。
一方、割引率1%なら
100 ÷ 1.01^10 ≒ 90.5
となり、約90.5万円です。
このように、割引率は分母に入るため、
割引率が高いほど将来のお金の今の価値は小さくなります。
よく「金利が上がると株の価値は下がる」と言われる理由がそれです。
金利を含めた割引率が高くなれば、それで割り算するので、株のバリュエーションは下がります。
より遠い将来の価値で評価されている株は、金利上昇に弱い!
特に影響を受けやすいのは、
今はあまり利益が出ていないが、将来大きく成長すると期待されている株です。
こうした株は、遠い将来の利益で高く評価されているため、金利上昇による割引率の上昇が強く響きます。
たとえば、同じ100万円でも、
1年後にもらえる100万円
10年後にもらえる100万円
では、10年後のほうが金利の影響を強く受けます。
理由は、10年後まではその間ずっと
「今あるお金を運用できる時間」
があるからです。
金利が高いほど、その差が大きくなります。
数字で見ると分かりやすいです。
1年後の100万円
割引率1%なら
100 ÷ 1.01 ≒ 99
割引率10%なら
100 ÷ 1.10 ≒ 91
差はそれほど大きくありません。
10年後の100万円
割引率1%なら
100 ÷ 1.01^10 ≒ 90.5
割引率10%なら
100 ÷ 1.10^10 ≒ 38.5
こちらは大きく下がります。
つまり、
近い将来のお金は、金利が上がっても傷みが小さい
遠い将来のお金は、金利が上がると傷みが大きい
です。